いつもの沖縄・慶良間とは、まったく違う海。今回は九州北部、玄界灘で2日間潜ってきた。結論から言います——超楽しかった。壁のように立ちはだかるイサキの群れ、1ダイブで3回潜ったような満足感のある地形。正直、潜る前は「南の島じゃないのにそんなに面白いのかな」と思っていた自分を殴りたい。
Dive Area — 玄界灘
- Area 九州北部
- Points LEGO / 玄界灘
- Theme 群れ × 地形
- Current 対馬海流
僕が実際に水中で撮ってきた2本の映像も紹介しつつ、玄界灘の魅力をできるだけ生々しく書いていきます。
玄界灘ってどんな海?
まず、そもそも玄界灘ってどこ? という話から。
玄界灘は、九州の北側、福岡県や佐賀県の沖に広がる海のこと。 日本海の一部で、対馬海流が流れ込んでくるエリアです。
海況のイメージとしては、こんな感じ。
- 対馬海流の影響でプランクトンが豊富
- だから、それを食べる魚の量がとにかく多い
- 一方で、夏と冬で水温差が大きく、季節で見られる生き物がガラッと変わる
- 沖縄のような「どこまでも青い」海とはちょっと違う、どこか緊張感のある青
透明度は沖縄ほど抜けないこともあるのですが、その代わり生き物の濃さが段違い。
「青を見に行く海」じゃなくて、「群れを浴びに行く海」。 — 玄界灘
そんな表現がしっくりきます。
ちなみにこの日は、大型のクラゲもふわっと横切ってくれました。 透き通ったドームみたいな姿で、沖縄ではなかなかお目にかかれないタイプ。 安全停止の時間にクラゲ × 幼魚の可愛い瞬間が見られたのはラッキーだった。
Dive No.01 / LEGO
LEGO ── 1ダイブで3回潜った気分
最初のポイントは 「LEGO(レゴ)」。 名前の通り、ゴツゴツした岩や地形がレゴブロックみたいに積み重なっている、と勝手に解釈しています(ガイドさんの説明うろ覚え)。
エントリーしてすぐの感想: 「なにここ」
ロープを伝って潜降していくと、最初に目に入ったのがゆらゆら揺れる海藻の森。 沖縄ばかり潜っていた僕からすると、この時点ですでに新鮮です。
- 岩の間に海藻
- 海藻の間に小魚
- 小魚を狙う中型の魚
- 岩陰にひそむ甲殻類
水中の密度が、とにかく濃い。
進むたびに景色が変わる
LEGOが面白いのは、地形が複雑で、5メートル進むごとに景色が変わること。
- 最初は海藻エリア
- 少し進むと岩の回廊
- 回廊を抜けると小魚の群れがぐるぐる
- その奥には中層にぶら下がる別の群れ
- さらに奥には砂地とガレ場
ガイドさんの後ろをついて行くだけで、「あれ、さっきと全然違うところに来てない?」という感覚が何度も来ます。
特にこの、ソフトコーラル(やわらかいサンゴ)と小魚の乱舞エリアがすごかった。 白・ピンク・薄紫のサンゴがゆらゆら揺れて、その周りをオレンジやシルバーの小魚がぐるぐる。 「玄界灘ってこんなに色あるの!?」と、普通にびっくりしました。
「満腹」なのにまだ半分
1本潜って水面に戻る頃、僕は完全にお腹いっぱいの状態でした。 ところが、ダイブログを見ると潜水時間は普通の1本。
**「1ダイブで3回潜ったくらいの満足感がある」**というのは、決して大げさじゃないです。
一緒に潜ったバディが水面で一言、
「LEGO、情報量おかしくない?」
うん、おかしい。でもそれがいい。
実際のLEGOの雰囲気は、このVlogにまとめました。 海藻のゆらぎと、地形の入り組み具合だけでも伝わると思います。
Dive No.02 / 玄界灘
玄界灘 ── 壁。イサキの、壁。
そして本題、ポイント名もそのまんま 「玄界灘」。
ここは完全に魚の群れを見るためのポイント。 地形うんぬんよりも、とにかく中層を見ろ、という場所です。
潜降開始、そして異変
エントリーしてロープを伝って降りていく。 最初は特に変わった景色でもなく、「あれ、思ったより普通かな?」なんて思っていたら、ガイドさんが真上を指差した。
見上げた瞬間、言葉を失いました。
これでもまだ序章です。 海底にはイソギンチャク畑、その上の中層を埋めるのはすべてイサキ。 見渡す限り、魚、魚、魚。
銀色の、壁。
目の前に、銀色の壁が立っていました。
比喩じゃなくて、本当に「壁」。
- 幅は視界いっぱい
- 高さも視界いっぱい
- 奥行きも、どこまで続いているのか見えない
全部、イサキ。
1匹1匹が30センチくらいの、決して小さくない魚。 それが何千匹という単位で、中層にびっしり詰まって、ゆっくりと泳いでいる。
光が差し込むと、群れの表面がキラキラと反射して、本当に壁が揺れているように見える。
壁に突っ込む快感
すごいのはここから。
ガイドさんに合図されて、壁にゆっくり近づいていく。
- 10メートル手前 → 壁だとわかる
- 5メートル手前 → イサキ1匹1匹の目が見える
- 3メートル手前 → 音が変わる(気がする)
- そして、壁の中に入る
イサキたちは、こちらをギリギリでかわしていきます。 ぶつかる寸前で、スッと流れを変える。 それが、何千匹同時に起きる。
目の前、横、上、下、全部イサキ。
耳のすぐ横を、ヒレが切る「シュッ」という水流の感覚。
自分が水に溶けて、イサキの一部になったような錯覚。 — イサキウォールの中で
これは、陸では絶対に味わえない体験です。
思わず声が出た
僕は水中で、レギュレーター越しに「おおおお」と声を出してしまいました。 無意識です。
バディも同じだったらしく、水面に出た後、お互い開口一番、
「やばかった」 「やばかったね」
それしか言葉が出ない。
この瞬間の映像はこちら。 画面越しでも、あの壁の迫力は少しは伝わるはず。(実物はこの3倍くらいすごいです。マジで)
Review
玄界灘ダイビング、ここが良かった
2本潜ってみて、沖縄しか知らなかった僕なりにまとめると、玄界灘はこんな海でした。
① 魚の密度がとにかく高い
沖縄の魚影が「広く散らばる」タイプだとしたら、玄界灘は**「1カ所にドーンと固まる」タイプ**。 この日のイサキウォールはその最たる例で、視界全部が魚で埋まる体験は初めてでした。
② 地形が飽きない
LEGOに代表されるように、ゴツゴツした岩場と海藻のコンビネーションが本当に面白い。 沖縄の白砂とサンゴとはまったく別ジャンルの楽しさです。
③ 「日本の海すごい」と素直に思える
海外や離島まで行かなくても、これだけの海が国内で体験できる。 これは、ダイバーとしてかなり嬉しい発見でした。
詳しい数値はその日のコンディション次第なので割愛しますが、ざっくり感想だけ。
- ウェットスーツ: 沖縄より少し厚めを推奨(5mm〜)
- フード/グローブ: 季節次第ではあった方が安心
- カメラ: ワイドコンバージョンレンズがあると群れを撮りやすい
- 気持ち: 「群れを浴びる覚悟」で行くと、期待通り浴びれます
まとめ: また絶対、玄界灘行く
正直、今回の2本で玄界灘に惚れました。
- LEGOで地形と生き物の密度にやられ
- イサキウォールで群れの迫力にやられ
南の島の青い海も大好きですが、日本にはまだまだ僕の知らない最高の海がある。
次回はもう少し季節を変えて、別の魚の群れも狙いに行きたい。 あと、LEGOはもう1回行って今度こそ全部見てやると心に決めました(たぶん無理)。
Notes for the Next Diver
- Area
- 九州北部・玄界灘。対馬海流が流れ込む、魚影の濃い海
- Points
- LEGO(地形×海藻×群れの幕の内弁当)/ 玄界灘(イサキウォール一本勝負)
- Style
- 「青を見に行く海」ではなく「群れを浴びに行く海」
- Suit
- 沖縄より厚め推奨(5mm〜)。フード/グローブは季節次第
- Camera
- ワイドコンバージョンレンズがあると壁を画角に収めやすい
- Mind
- 「群れを浴びる覚悟」。期待通り、浴びれます
動画2本、もう一度貼っておきますね。 通勤中でも、寝る前でも、海を浴びたい時にぜひどうぞ。
それでは、また次の海で。