「ダイビングって何が楽しいの?」と毎回聞かれるので、本気で5つに整理した

ダイビング歴10年・約300本の僕が、毎回聞かれる「何が楽しいの?」に本気で答えてみた。中性浮力・冒険感・水中写真・宝探し・仲間という5つの楽しさを、実体験ベースで言語化した記事です。

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3人のダイバーが手を繋いで水中に漂うシルエット。ダイビングの楽しさが詰まった一瞬

ダイビングをやっていない友人から、「ダイビングって何が楽しいの?」と、けっこう真顔で聞かれることがあります。

これがいつも、思っているより難しい。

「魚が綺麗で〜」と言ったところで、相手が想像しているのはたぶん水族館の景色で、僕が頭の中で思い浮かべている景色とは別物だからです。「沖縄の海みたいな?」と返されると、それも違うんだよなあ、と毎回モヤモヤする。

ダイビング歴10年、本数は約300本。 自分でもかなりハマっている側の自覚があるので、今回は「ダイビングの何が楽しいのか」を、自分のために本気で5つに整理してみました。

「始めようか迷っている人」も、「友達がなぜハマっているのか分からない人」も、読み終わるころには少しだけ水中側の気持ちが分かるはずです。

結論: ダイビングの楽しさは、この5つに集約される

先に結論から書きます。

僕にとってのダイビングの楽しさは、ざっくりこの5つでした。

  1. 中性浮力 自分の体が「水の一部」になる感覚
  2. 非日常感 船から飛び込む瞬間の冒険のスイッチ
  3. 水中写真 ストロボを焚いた瞬間に「色」が現れる驚き
  4. 宝探し感 砂粒みたいな1cmの生物を見つけた時の達成感
  5. 仲間 海でつながり、陸で深まる、不思議な人間関係

ダイビングが楽しいのは「綺麗な海を見るから」ではなく、地上では絶対に味わえない感覚と体験が、毎回違う形で襲ってくるからだな、と書き出してみて改めて思いました。

5つ全部読まなくても、気になった項目だけ目次から飛んでもらってOKです。 ただ、僕が一番伝えたいのは最初の2つ、中性浮力水中写真。ここがダイビングのコアだと思っているので、ちょっと長めに書きます。

① 中性浮力 — 自分の体が「水の一部」になる感覚

最初に持ってきました、中性浮力

中性浮力というのは、ざっくり言うと「水中で浮きも沈みもしない状態」のこと。BCD(Buoyancy Compensation Device、浮力を調節するベスト)の空気量と肺の呼吸で、自分の体を中層にぴたっと止めておく技術です。

これが、最初は本当にできない。

船底でホバリングするダイバー。差し込む光と気泡が中性浮力の心地よさを物語る

最初の20本くらい、ずっと岩にぶつかってた

正直に書くと、僕も中性浮力を取れるようになるまで、20本くらいかかりました。

OW(オープンウォーター)の講習を終えたばかりの頃は、底の岩にひざをぶつけ、サンゴに手をついて謝り、エキジット直前に急浮上しかけてガイドさんに引き戻され……みたいなダイビングを繰り返していました。

「うまい人は静かにふわっと浮いているのに、なんで自分はこんなにバタバタしているんだ」と、毎回水面に上がるたびに思っていた気がします。

転機になったのは、本数で言うと25本目くらい。 ある日のダイビングで2本目の途中に、ふっと、急に「あ、いま動かなくても止まれてる」という瞬間が来ました。

息を吸うと、ゆっくり1mくらい浮く。
息を吐くと、同じだけ沈む。
呼吸だけで、体の高さがコントロールできる

地上だと、立っていれば立ったまま、座っていれば座ったまま。重力に任せて生きている分には、呼吸でこんなことは起こりません。それが水中では、肺ひとつで自分の位置が決まる。

このときに初めて、「ああ、ダイビングってこういう遊びか」と腑に落ちた感覚がありました。

取れた後の世界は、別ゲーム

中性浮力が取れるようになると、ダイビングは別のゲームに変わります。

  • 生き物が逃げない(バタバタしないので近づける)
  • 写真が止まる(自分が動かないからピントが合う)
  • ガイドの動きを邪魔しない(流れに乗って進める)
  • そして何より、疲れない

特に、生き物との距離感がガラッと変わるのが気持ちいい。中性浮力がないとダイバーはどうしても上下にゆさゆさ動くので、魚から見ると「不審者」なんだと思います。動かなくなった瞬間、向こうの警戒心が一段下がるのが分かる。

セノーテの光線にダイバーがシルエットで漂う。光の中で止まっていられる贅沢

ちなみに余談ですが、宇宙飛行士の無重力訓練に水中プールが使われているそうです。NASAの「Neutral Buoyancy Laboratory」という施設で、文字通り中性浮力の研究室。地上に最も近い無重力環境が水中だ、という証拠みたいで、勝手にニヤニヤしています。

僕らはお金を払って、宇宙飛行士のトレーニングと同じ感覚を味わっているわけです。お得な趣味ですね。

② 非日常感 — 船から飛び込む瞬間の「冒険のスイッチ」

2つ目は、非日常感

ダイビングの何が好きかと聞かれて、わりと多くのダイバーが口にするのが「飛び込む瞬間」だと思います。

水面付近、泡に包まれたダイバー。飛び込んだ直後の気泡の世界

朝、港でショップに集合する。器材をセッティングして、ボートに乗り込んで、沖まで20分。ガイドさんのブリーフィング(潜る前の打ち合わせ。ポイントの地形・流れ・見られる生物などを確認する時間)を聞いて、フィンを履いて、マスクを着けて、ジャイアントストライドで一歩踏み出す。

ザブン、と水しぶき。 一瞬の静寂のあと、レギュレーターから空気が「シューッ」と聞こえる。

この瞬間に、スイッチが切り替わる感覚が毎回あります。

陸の仕事のこと、家のこと、SNSの通知、全部が水面の向こう側に置いてけぼりになる。これから1時間、僕の世界はこの海中だけ。そういう、強制的な切り替えスイッチ

黄緑グラデーションの海底。火山性の地形は別の惑星に来たような気分にさせる

景色も、毎回ちょっとずつ違う。

同じポイントでも、季節と海況とメンバーが違えば、二度と同じ景色にはなりません。だから何百本潜ってもマンネリ化しない。先週見たはずの岩陰に、今週は知らない生き物がいる、みたいなことが普通に起こります。

鍾乳石の洞窟内、ダイバーがライトで奥を照らす

特に印象に残っているのは、セノーテで潜った時のこと。

セノーテは石灰岩が崩れてできた淡水の地下水脈で、上から差し込む光が水中で光の柱みたいになる場所です。最初に光のシャワーの中に入った瞬間、「自分はいま地球の遊びをしているんだろうか」と本気で思いました。

セノーテの光のシャワー。地上では絶対に出会えない景色

そして、たまにめちゃくちゃ怖い瞬間も来る。

シロワニ(サンドタイガーシャーク)と正面で目が合った時は、レギュレーターをくわえたまま「うっ」と固まりました。サメ自体は基本的におとなしいんですが、3メートル先で口を開けて静止しているのを見ると、知識より先に体がビビります。

シロワニ正面、牙くっきり。怖い、けど目が離せない

この「ちょっと怖い」と「すごく綺麗」が混ざるのが、ダイビングの非日常感の正体だと思っています。安全管理された遊園地のアトラクションでは、こうはならない。

ちなみに、エキジット後の船上で食べるおにぎりは異常においしいです。あれも込みで非日常。

③ 水中写真 — ストロボを焚いた瞬間に「色」が現れる驚き

3つ目、水中写真

ここは僕がいま一番ハマっているポイントなので、少し長くなります。

ピンクのソフトコーラル満開のクレバス。ストロボがあるからこの色が見える

海の中は、目で見ると意外と地味

ダイビングを始める前にイメージする海って、たぶん「カラフルな魚が泳ぐ青い世界」だと思います。実際そういう海もある。でも、水深15mくらいまで潜った状態でストロボなしで見ると、海の中はけっこうくすんだ緑〜青の世界です。

理由は単純で、水は光の中の赤・オレンジ・黄色を先に吸収してしまうから。深く行くほど、世界からあったかい色が消えていく。

なので、目視で「真っ赤なサンゴ!」みたいに見えることは、実はそんなに多くありません。きれいだなと思っても、写真に撮って後で見ると「あれ、こんなに緑っぽかったっけ?」となる。

ストロボを焚くと、世界が一段明るくなる

これを解決するのがストロボ。水中専用のフラッシュライトです。

僕が最初にストロボを買ったのは、ダイビング歴3年目、本数で言うと80本目くらい。当時はカメラだけ買って「水中写真っぽいもの」を撮っていたんですが、家に帰って画面で見ると、どれも記憶の中の海より地味で、毎回がっかりしていました。

で、思い切って中古のストロボを買って、初めて海で焚いてみた時のこと。

ピンクのソフトコーラルの群生にレンズを向けて、シャッターを切った瞬間、ファインダー越しに世界がパッと明るくなるのが見えました。さっきまでうっすら緑がかって見えていた岩肌に、ストロボが届いた範囲だけ、いきなりピンクと赤と白の花畑が現れる。

あ、本当の海ってこういう色なんだ」と、その日初めて知った気がします。

ピンクのハタと銀色の魚群、奥には赤いサンゴ。ストロボが本来の色を引き出す

その日から、僕の中でダイビングは「潜る遊び」に「撮る遊び」が乗っかった、二段構えの趣味になりました。

写真があると、記憶のクオリティが変わる

水中写真の何が良いって、1枚撮るとその日のダイビング全体が記憶に残ることです。

人間の記憶ってあいまいで、3ヶ月もすれば「先週の日曜日に見たもの」もぼんやりしてくる。それがダイビングだと、ログ(潜水記録)を読み返しても「水深18m、水温24度、透明度15m」みたいな数字しか残っていなくて、肝心の景色が出てこなかったりする。

でも、お気に入りの1枚があると、その写真をフックにしてその日のブリーフィングからエキジット後の弁当までズルズル思い出せる。気がします。

オレンジと青のカラフルな熱帯魚と、ピンクサンゴの組み合わせ

なので、写真を始めてから、ダイビング1本あたりの「思い出の解像度」が一気に上がりました。

Before / After が見せられないので、文章で説明します

本当はこのセクションで、ストロボなしの暗い写真ストロボを焚いた鮮やかな写真を並べて見せたいんですが、ちょうど良い比較ペアが手元になく……。

代わりに、文章で書いておきます。

ストロボなし: 全体的に緑〜青がかっていて、岩や砂は灰色に近い。生き物の色味も「黒っぽい」「白っぽい」のグラデーションで見える。 ストロボあり: 当てた範囲だけ赤・黄色・ピンクが復活する。色の境界がくっきり出るので、写真に立体感が出る。

差は、思っているより激しいです。 撮ったその場では「同じ被写体」と思っていても、家のモニターで並べると、別の海で撮ったみたいに見えるくらい違います。

ムチカラマツとソフトコーラルの景観。ストロボなしだとほぼ緑色に見える光景

機材は「いきなり一眼」じゃなくていい

ちなみに僕は今、Sony のミラーレス(α7R3)にハウジングを付けて、INON Z330 を2灯付けて撮っています。それなりの装備にはなったけど、いきなりここに行く必要はまったくないと思っています。

最初の入り口は、

  • スマホ防水ケース
  • アクションカメラ(GoPro / Insta360)
  • 防水コンデジ(OM SYSTEM の TG シリーズなど)

このあたりで十分。むしろ、「軽くて壊れても泣かない」機材で50本くらい撮ってみて、何を撮りたいかが固まってからステップアップした方が、後悔が少ないです。

僕も最初の数年は防水コンデジでした。今でも「最初から一眼にしておけば」とは思いません。あの軽さで失敗を重ねたから、いま重い機材を笑って持てている。

黄色と青の魚群とサンゴ礁、奥にはダイバーのシルエット

機材の話は語り出すと止まらないので、別記事でいつか整理したい気持ちはあります。今回は「ストロボを焚いた瞬間に色が出るのが面白い」というところまで、伝わっていればうれしいです。

緑のイソギンチャクの群れと、オレンジのカイメン。色のコントラストが楽しい1枚

④ 宝探し感 — 砂粒みたいな1cmの生物を見つけた時の達成感

4つ目は、宝探し感

ここは、ダイビングを続けているうちにじわじわ好きになった部分です。最初の頃はまったくピンと来てなかった。

1cm程度の極小オレンジ生物と、緑の海藻。これを見つけた時の達成感は格別

大物・群れの楽しさ + ちっちゃい生き物の楽しさ

ダイビングって、最初のうちは「マンタ見たい」「ジンベエ見たい」「ハンマーヘッドの群れ見たい」みたいに、わかりやすい大物・群れに目が行きます。

それはそれで間違いなく楽しい。**玄界灘でイサキの壁に突っ込んだ時**は、本気で「うおおお」と声が出ました(この体験は別記事に詳しく書きました)。

ただ、本数を重ねていくと、もうひとつの楽しみ方が見えてくる。それが、1cmの擬態生物を見つける遊びです。

オレンジと白のサンゴに擬態した小魚。指でも示されないと絶対に気づかない

ピグミーシーホース(タツノオトシゴの仲間。1cm前後でサンゴに擬態)、ウミウシ、カエルアンコウ、ハゼ系の小さな生き物。彼らは見つけてもらえる前提で生きていない、本気の擬態の達人たちです。

最初は、本当に何も見えない

正直に言うと、最初の50本くらい、僕はマクロ生物がほぼ見えませんでした。

ガイドさんが指示棒で「ここ、ここ」と差してくれているのに、覗き込んでも「岩しか見えない」。横でバディが「うんうん」と頷いているのを見て、見えていないことを言い出せず、写真だけ撮って後で家で確認する、みたいなダイビングを繰り返していました。

それが100本を超えたあたりから、急に「あ、いる」と一発で分かるようになる瞬間が増えてきます。

これは目が良くなったわけじゃなくて、脳が「水中の違和感」を学習したんだと思っています。サンゴの形、砂の流れ方、海藻の揺れ方の中で、「不自然に止まっているもの」「不自然に色がはっきりしているもの」を、無意識に探せるようになる。

ピンクのウミウチワに擬態したピグミーシーホース。慣れないと絶対に見つけられない

自分で見つけた1匹は、忘れられない

ガイドさんが指示棒で教えてくれる生物を見るのは、もちろん楽しい。ただ、本数を重ねた人ほどよく語るのは、自分で先に気づいた瞬間の話だったりします。

マクロ狙いのダイブで、ガイドさんが別の方向で他のお客さんに何か見せている間、僕はわりと暇で、近くのサンゴをぼんやり眺めていた。そしたら、サンゴの中に**1ヶ所だけ揺れ方の違う「枝」**があった——みたいなことが、続けているとたまに起きます。

近寄ってよく見たら枝じゃなくて、擬態しきった小さい生物がぶら下がっている。心の中で「うわすごい」と声を上げてからガイドさんに合図。

後で「よく気づきましたね」と言ってもらった時の、あの勝った感は、教えてもらって見るときには絶対に出てこない種類の感情です。

ムチカラマツに住む、棒状に擬態したエビ。慣れてくると形のおかしさで気づける

マクロは、ダイビングを長く続けるための保険

大物や群れは、シーズンや海況に左右されます。今日は会えるかもしれないし、会えないかもしれない。

その点、マクロ生物はだいたいいつもそこにいる。前回ガイドさんに教わったムチカラマツのエビは、次の同じポイントでも高確率で同じ場所にいて、「お、おまえまだいたか」と挨拶できたりする。

この「何回潜っても飽きない」感覚は、マクロが好きになると一気に強くなります。

白黒の小魚(マクロ)。地味だけど、被写体としては最高の相手

ダイビングを長く続けている人ほどマクロにハマる、というのは、たぶんこの保険的な楽しさが大きい。大物に振り回されない代わりに、目の前の砂粒の中に世界がある、と思えるようになるからです。

⑤ 仲間 — 海でつながり、陸で深まる、不思議な人間関係

最後、5つ目は仲間

ここは、ダイビングを始める前にはまったく想像していなかった部分でした。

水面で集合するダイバーたちと島の背景。エキジット後の集合がいちばん緩んでいる

バディ制度があるから、必ず誰かと組む

ダイビングにはバディ制度があります。基本的に1人で潜るのは禁止で、必ず2人1組(バディ)で行動する。これは安全のためのルールなんですが、結果として「毎回誰かと組む」遊びになっています。

一人で来たショップでも、その日に組まされた相手と、エントリー前のチェック・水中での合図・エキジット後の振り返りまで、強制的に時間を共有することになる。

これがいい。

ふだんの社会人生活で、初対面の人と1〜2時間まじめに何かを共同作業する機会って、意外と少ないんですよ。仕事は仕事の話しかしないし、飲み会は飲み会の話しかしない。ダイビングは、その日の海を一緒に体験するという、強制的な共通体験を生んでくれます。

岩礁で、複数のダイバーが探索モード。水中だと意外と会話できる

陸での飲みが、たまらなく良い

そして、ダイビングの後の飲みが最高に楽しい。

午後3時くらいに港に戻ってきて、シャワーを浴びて、ログを書きながら近くの居酒屋に集合する。だいたいビールから始まって、その日見たマクロ生物の話、流れがきつかったポイントの愚痴、ガイドさんの最近のおすすめポイント、バディの仕事の話。

午前中までほぼ初対面だった人と、夕方には10年来の知り合いみたいなテンションで話している。あの感じが、ダイビング独特だと思います。

居酒屋の青いカクテルと料理。ダイビング後の打ち上げは、なぜかいつも長くなる

陸で深まる、というのはわりと本当で、僕の場合、いま仲のいい友人の半分くらいは、ダイビング経由です。職場でもなく学生時代でもなく、たまたまその日に同じ船に乗っただけの相手と、何年も連絡を取り続けている。普通に考えると不思議なことが起きている。

旅先で、ばったり再会する

もう一つ、ダイビングを続けていると遭遇するのが、旅先での再会です。

ダイビング業界は思ったより狭くて、人気のポイントは結局同じ顔ぶれが集まりがちです。「あ、去年沖縄でご一緒した方ですよね?」みたいな再会が、年に1〜2回は起きる。

僕は一度、海外のバーで、見たことのある人とすれ違って「あれ?」となったことがあります。確認したら、何年か前に同じ船で組んだバディでした。お互い「世界、狭くないですか」と言いながら、その晩はそのまま一緒に飲み直しました。

海外のバーでリキュール。旅先で偶然ダイバー仲間に会うと、何時間でも飲める

年齢も職業も住んでいる場所もバラバラなのに、「海の話」だけで一晩繋がれる相手がいる、というのは、社会人になってから手に入れた中ではかなり貴重な財産だと思っています。

ダイビングは一人で完結しない遊び。 それが面倒な日もあるけど、年単位で見るとこの面倒くささが、ちゃんと宝物になっています。

これからダイビングを始めたい人へ — 最初の3ステップ

ここまで読んで、もし少しでも「やってみたいかも」と思ってもらえたなら、簡単に始め方も書いておきます。

僕がすすめているのは、シンプルに3ステップ。

ステップ1: まず体験ダイビングを1回やる

いきなりライセンスを取りに行く必要はありません。

各地のダイビングショップで、体験ダイビング(ライセンスなしで、インストラクター同伴で水深10m前後まで潜れるプログラム)を1万円前後でやっています。沖縄・伊豆・関東の都市型ショップ、いろいろあります。

これを1回やってみて、「水中の感覚」が自分に合うかを確かめるのが先。 万人ウケする趣味ではないので、合わなかった人は1回でやめるのが正解だと思います。

ステップ2: 合いそうなら、Cカード(OW)を取る

「もう少し続けたい」と思ったら、Cカード(Certification Card、ダイビングのライセンス)の取得へ。

最初に取るのはOW(オープンウォーター)というランクで、学科 + 海洋実習で3〜4日くらい。費用はショップやエリアにもよりますが、ざっくり5〜8万円くらいが相場です。

これを取ると、世界中の海で「ファンダイビング」(普通のレジャーダイビング)に参加できるようになります。

ステップ3: 行きやすいショップを見つけて、10本潜る

Cカードを取ったあとが、地味に重要です。

自分の家から行きやすいショップを見つけて、まずは10本くらい潜る。これで「自分はダイビングを続ける人間か」が、わりとはっきり分かります。

いきなり高い器材を買うのは、まだ早い。 最初の10本はレンタルで十分です。続けると確信してから、マスク → フィン → BCD → レギュレーター、と段階的に揃えていけば失敗が少ないです。

費用感や具体的なステップは、いつか別記事でちゃんと書きたいと思っています。今回は、「始めるならこの3段階で考えればOK」くらいに思ってもらえれば。

まとめ: 楽しさを”言語化”できると、もっと深くハマる

5つ、書き出してみました。

  1. 中性浮力 — 自分が水の一部になる感覚
  2. 非日常感 — 飛び込む瞬間の冒険のスイッチ
  3. 水中写真 — ストロボで色が現れる驚き
  4. 宝探し感 — 1cmの生物を見つけた達成感
  5. 仲間 — 海と陸でつながる人間関係

書きながら過去の写真フォルダを見返していたんですが、これ全部、陸では絶対に手に入らない感覚だなと改めて思いました。「綺麗な海を見るから楽しい」だと、たぶんこの趣味は10年続いていない。

そして、楽しさをこうやって言語化してみると、不思議なもので、次に潜る時の解像度がもう一段上がる気がしています。「今日は中性浮力をもう少し丁寧にやろう」「次のダイブはストロボの当て方を変えてみよう」みたいに、自分の中で次の課題が立つから。

楽しさを言葉にするのは、ハマるための地味な近道なのかもしれません。

冒頭の質問に戻ります。

「ダイビングって何が楽しいの?」と聞かれたら、これからは「ちょっと長くなるんだけど」と前置きして、この5つの話をしようと思います。

それで「なるほど」と思ってくれた人がいたら、いつかどこかの船で、バディとして一緒に潜れる日があるかもしれない。

そういう、ゆるい願いも込めて。

それではまた、次の海で。