
ダイビングを始めて10年、本数は300本を超えました。
最初はショップで配布されたログブックをそのまま使っていましたが、年を重ねるうちに「項目が合わない」「写真が貼れない」「ページが足りない」と小さな違和感が積み重なって——。
行き着いたのが、Excelで自作したフォーマットを紙のノートに綴じる、ダイビング専用のスクラップブックです。
この記事はこんな人に向けて書きました
- 既製品のログブックにちょっと物足りなさを感じている人
- 数字だけじゃなく、写真や思い出も一緒に残したい人
- アプリじゃなく紙に残す派のダイバー
- 「自作したい気はあるけど、面倒そう」と二の足を踏んでいる人
最後に Excelテンプレートを無料配布 しているので、いいなと思ったらそのまま使えます。
まずは完成イメージから
「どんなものが作れるのか」を先にお見せします。
① 表紙: ステッカーでどんどん個性が出る

ショップでもらったステッカーや、お気に入りのイラストを表紙に貼っていくだけで、世界に一冊の宝物になります。
② 1見開き = 2ダイブ分。左に写真、右にログ

見開き左にL判サイズの写真、右に手書きのログデータ。 「1ダイブで撮り切れないこともある」ので、2ダイブにつき写真は1枚というルールにしています。
③ 生物リストやサインも残る

マクロが豊富だった柏島では、出会った生物リストがびっしり。 バディ/ガイドさんのサインも入っていて、紙じゃないと残せない温度がちゃんと残っています。
④ ワイドな群れ写真もL判の横構図でハマる

小笠原みたいな群れ中心のダイビングでも、L判の横構図がノートに綺麗に収まります。
こういうログが、自分で作れます。 ここから先は「どうやって作るか」「いくら掛かるか」の具体的な話です。
既製品のログブックに感じていた「違和感」
既製品のログブック(とくに入門時にショップからもらうもの)は、基本を押さえた便利なフォーマットです。水深・潜水時間・残圧・透明度……データは一通り書ける。
ただ、使い続けるうちにこんな気持ちが出てきました。
- 書きたい項目が無い。出会った生物、使ったレンズ、バディのコメントみたいな「個人的なメモ」を書く余白がない
- 写真が貼れない。文字ベースなので、せっかくの1枚を一緒に残せない
- 項目が過剰 or 不足。自分は使わない欄があるのに、逆に「感想欄」は無い
LOFTで「写真が貼れるログブック」も買ったことがあります。でもページ数が少ないのとフォーマットが固定なのが気になって、結局しっくり来ず。
それなら、自分で作ればいいんじゃない?
そう思ったのが、自作ログのはじまりでした。
気になるコスト感
「自作は面倒そう」の次によく聞かれるのが「お金どれくらいかかる?」。 ざっくりですが、目安はこんな感じです。
| 項目 | 目安コスト |
|---|---|
| ノート本体(kleid ストリングタイノート スクエア) | 1,100〜1,300円(1冊) |
| ノート1冊で書けるダイブ数 | 約80ダイブ(見開き=2ダイブ / 40枚綴じの場合) |
| L判プリント代(コンビニ) | 30〜40円/枚 |
| L判プリント代(自宅インクジェット) | 15〜25円/枚(用紙+インク込み概算) |
| L判プリント代(しまうまプリントなど郵送系) | 7〜10円/枚 |
| 両面テープ | 100円ショップで十分 |
| プリンター本体(買うなら) | 1〜2万円台のインクジェットでOK |
1ダイブあたりの追加コスト(ノート代除く)は、だいたい50〜100円。 写真1枚+ノートの1ページ分と思えば、そう高くありません。
「まずは試してみたい」なら、ノート1冊買うだけで始められます。
作り方① Excelフォーマット編
ここからが本題、どう作っているかの話です。
記録している項目
基本項目(必須で書くもの)
- 日付
- 場所(海域)/ ポイント名
- 本目(通算ダイブ数)
- エントリー / エキジット時刻
- 潜水時間
- 平均水深 / 最大水深
- 残圧(スタート→エンド)
- 水温 / 気温
- ウエイト
- 装備(EAN 〇〇% 等)
- 天気
独自項目(ここがポイント)
- 出会った生物リスト(複数を箇条書き)
- 写真貼付スペース(L判が収まる余白)
- バディ / インストラクターサイン(手書き欄)
書きすぎない、が鉄則
Excelだと「項目を足すのは自由」。でも、書きすぎると続かない。
毎回書く項目だけに絞るのが、3年続けて分かった最大のコツでした。
「書けたら書く」欄は、そもそも作らない。面倒になる前に簡素化する。
1ページ = 2ダイブ、2ダイブで1写真
1ページに2ダイブ分を収めて、写真は2ダイブにつき1枚。
1本で気に入った写真が撮れないこともあります。マクロ狙いで全滅した日、海況が荒れた日——そんな日でも2ダイブのうちどれか1枚は「これは残したい」と言える写真が撮れるもの。
1ダイブ1写真ルールにすると「今日は貼る写真が無い…」と空白ページができがち。2ダイブで1枚なら、ちょうどいい密度になります。
作り方② 印刷・製本編
一番よく聞かれるのが、どんなノートをどう使ってるかです。
ノート: kleid「ストリングタイノート スクエア」
使っているのは kleid のストリングタイノート スクエア型(2mm方眼 / 170×155mm)。
選んだ理由:
- スクエア型の見開きがとにかく可愛い
- **紐綴じ(ストリングタイ)**だからページを追加・入れ替えできる。本数が増えてもパンパンにならない
- 2mm方眼は手書きメモと相性が良く、書いた文字が整って見える
- 濃いネイビーの表紙はステッカーが映える。貼るたびに愛着が増えます
リング外しに「リムーバー」が必須
kleidのノートは リング綴じ なので、自作の用紙を綴じ込むには一度リングを外して紙を差し込み、戻すという工程が必要になります。このときに必要なのが リングノート用リムーバー。
用意しておくべき工具はこれひとつ。数百円で手に入って、1つ買えば何冊作っても使い回せます。
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作業の流れ:
- リムーバーでリングを外す
- 印刷したフォーマット用紙をノートに差し込む
- リングを戻して綴じ直す
最初はコツがいりますが、2〜3回やれば慣れます。
印刷: 自宅インクジェット、L判サイズ
写真は L判(89×127mm) で印刷しています。
- 自宅インクジェット(僕はログ用に1台買いました)
- コンビニプリント(セブン-イレブンのネットプリントなど、L判はどこでも対応)
- しまうまプリントのような郵送系サービス(まとめて送れば安い)
L判を選ぶ理由は、どこでも安く印刷でき、スクエアノートに綺麗に収まるから。
Excelのフォーマットはコピー用紙(A5かスクエアサイズに裁断)に印刷して、必要ならカットしてノートに貼り付けます。
貼り付け: 両面テープ
写真は両面テープで貼っています。
L判のシール台紙付き写真用紙があると楽なんですが、選択肢があまりなく、現状は両面テープに落ち着いています(知っている方、ぜひ教えてください)。
慣れてくると5本分の貼り付けで30分くらい。潜った夜の儀式になっています。
こだわりポイント5つ
改めて、このログで意識しているポイント。
- 項目を絞る。毎回書く情報だけ。書きすぎない
- 2ダイブで1写真。1本で撮り切れなくても「残したい1枚」が出る
- 生物リスト欄。後で「この海で何が出たか」を思い出すのに最強
- サイン欄。ガイドさんやバディに書いてもらうひと言は、紙にしか残せない温度がある
- 表紙にステッカー。潜った海のショップステッカーやお気に入りのイラストを貼るたび、ノートが自分だけの宝物になる
3年使ってみて、感じていること
良かったこと
- 潜った後の「儀式」ができた。帰宅→写真を選ぶ→印刷→貼る→書く。このひと手間が思い出を濃くしてくれる
- 眺める楽しさは最強。パラパラめくる楽しさは紙にしか無い
- 他のダイバーと見せ合うと盛り上がる。船上や打ち上げで「ログ見せて」と言われる確率が上がった
面倒なところも、正直に
- 印刷→貼り付けに時間がかかる(1回30分くらい)
- 紙なので水濡れに弱い。現場には持ち込まず、家で書いている
- データ検索はできない。ポイント別集計は別途Excelで管理
僕の場合は 紙ログ(記憶側)+ Excelデータ台帳(記録側)の二刀流。面倒に見えて、棲み分けができているので意外と楽です。
📥 テンプレート無料配布
「このフォーマット、使ってみたい」という方のために、Excelテンプレートを無料で配布します。
📎 Excel (.xlsx) 形式 / ファイルサイズ 約16KB
ボタンを押すとダウンロードが始まります。Excel・Numbers・Googleスプレッドシートで開けます。
使ってみたら、Instagramで教えてもらえると嬉しいです
📷 Instagram @hicho_log をフォロー
アレンジ例やカスタマイズ、ぜひ見せてください。
使い方のコツ
- Excelで項目を自由にカスタマイズ(不要な欄は消してOK)
- 印刷サイズは 170×155mm を想定(kleidのスクエアノート準拠)。A5など一般サイズに調整しても使えます
- コピー用紙に印刷 → カット → ノートに貼り付け(両面テープ)
- 写真はL判で別印刷して左ページに貼る
最後に
自作ログは、**書くのに少し時間はかかるけれど、確実に「残るもの」**になります。
データを積んでいく楽しさと、記憶が一冊の本になっていく楽しさ。どちらもダイビングの一部です。
もしこの記事を読んで「自分も作ってみようかな」と思ってくれたなら、嬉しいです。
それではまた、次の海で。